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1話：「天人五衰の事」

昭和27年。女子高生の楠本頼子は老いて醜くなっていく母・君枝に憎悪を募らせる一方で、聡明で美しい同級生・柚木加菜子に感化されていく。ある日、頼子は加菜子に誘われて夜の武蔵小金井駅で待ち合わせるが…。

2話：「狸惑わしの事」

加菜子をはねた電車に乗り合わせていた刑事の木場は、泣きじゃくる頼子から事情を聞く。病院に増岡と雨宮、加菜子の姉・柚木陽子らが到着。加菜子の深刻な容態を知った陽子は、名外科医の元へ加菜子を移すと告げる。

3話：「羽化登仙の事」

加菜子を乗せた救急車が箱形をした美馬坂近代医学研究所に到着。美馬坂の手術を受けた加菜子はその夜、奇跡的に一命を取り留めた。この後、「加菜子を誘拐する」との脅迫状が陽子に送られてくる。

4話：「火車の事」

加菜子が姿を消した。ほどなく医師・須崎の他殺死体が発見され、雨宮は失踪する。その頃、関口は出版社にいた。編集者たちは新鋭作家・久保竣公と、武蔵野周辺で頻発しているバラバラ事件の話でもちきりだった。

5話：「千里眼の事」

「千里眼」を持つ探偵・榎木津礼二郎の元へ弁護士の増岡が訪れ、「柚木陽子の娘・加菜子を捜してほしい」と依頼する。一方、関口は、三鷹の御筥様を潜入取材して失敗したという鳥口に会って話を聞く。

6話：「筥の事」

鳥口の幼い頃のことを、千里眼のように言い当てた京極堂。神社の神主で陰陽師でもある京極堂の優れた能力に心酔する鳥口は、ある男から編集部に「御筥様の信者リストを売りたい」との密告があったことなどを話す。

7話：「もうりょうの事」

「心に囲いを作ると魍魎が湧く」というのが御筥様の教えだと説明する鳥口は、御筥様の教主が連続バラバラ事件の犯人ではないかと推測。そして鳥口は、警察の内部資料である失踪少女の一覧を京極堂に見せる。

8話：「言霊の事」

関口がバラバラ事件の件で監察医の里村を訪ねた日、木場もバラバラ事件の被害者に加菜子がいないかを確かめに来ていた。里村は、加菜子誘拐事件以前に発見された相模湖の死体以外は、血液型が違うため別人だと言う。

9話：「娘人形の事」

関口と榎木津は喫茶店で新進小説家の久保竣公に出くわす。加菜子を知らないと答える久保だが、加菜子の写真を見せられると激しく動揺。関口と榎木津はこの後、自宅で首吊り自殺をしかける楠本君枝を発見する。

10話：「鬼の事」

「御筥様を作ったのが久保だ」と断定する京極堂は続けて、久保の猟奇的な小説の内容が想像の産物ではなく、実際の出来事であるとの見解も示す。そして京極堂は、その化けの皮を剥がしに掛かる。

11話：「魔窟の事」

京極堂は「戦時中、陸軍の研究所だった例の箱型の建物内で、異教徒を国家神道に改宗させるための洗脳実験をやらされていた」と明かす。美馬坂はそこで死なない兵士、人工臓器の研究に没頭していたのだと言う。

12話：「脳髄の事」

関口、榎木津、陽子らが箱型の研究所に到着したのは、木場が美馬坂に向けた拳銃の引き金に指を掛けた直後だった。その状況を前に陽子は、美馬坂が自分の父親だと叫び、ほどなく京極堂も姿を現す。

13話：「魍魎の匣、あるいは人の事」

京極堂は、普通の若手の幻想作家だった久保を殺人鬼に変えた原因を明かす。夜行列車で久保は、雨宮から匣入りの生きている加菜子の頭部を見せられた。実は雨宮は、陽子ではなく加菜子を愛していて…。